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「良い疑問が生まれたか」という評価軸

最近の教育界では学習目標が高度になっている関係で、学習内容を評価するのが難しくなっています。ゲームを使った学習、ワークショップ、アクティブ・ラーニング、カフェ的なイベントなどをやられている方や、「創造性」や「生きる力」を評価しようとしている人にとっては、身に覚えのある悩みじゃないでしょうか。

この原因はシンプルで、
・学習効果がテストで測定できない
・将来に学習効果が発揮されるので活動直後だと測定できない
の2つが主な原因だと僕は分析しています。

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“歴史を演じる” ことの学習効果

日本の歴史教育では教科書を読みつつ用語を暗記するというスタイルが主流ですが、海外の歴史教育ではアクティブな学習方法がどんどん開発されています。僕の研究領域でもあるので毎日そういった論文を読んでいるのですが、歴史を演じる(Performing History)という面白い学習方法とその効果を検証したアメリカの研究を見つけたので、紹介したいと思います。

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歴史教育での説明スタイル -日米間の違い

参考文献:渡辺雅子(2003)歴史教育における説明スタイルと能力評価 : 日米小学校の授業比較

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世界史の教育実習生がした咄嗟に出した質問「なんで?」

 先日、世界史の授業見学でお世話になっている高校に行った時のことです。 その日は、大学3年生の教育実習生が授業をするとのことだったので、 実習生の世界史の授業見学をさせてもらっていました。大ベテランの先生は型が決まっているので勉強になる一方、 実習生は色んなことを試行錯誤しているので、 普段は観察できない授業方法が生徒にどう受けるのかが見れてとても楽しかったです。

その中で最も面白かったのが、質問の仕方。 「ラテンアメリカの独立に影響を与えた国はどこだったと思う?」と質問をしたら、 生徒は「アメリカ!」とあまりにも簡単に答えられたので、 とっさに「なんで?」と質問を加えたんです。 そうしたら生徒は「え?なんでって…」と困った表情をして思考が一時停止。 でもしばらく考えた後に、ちゃんと答えを導いてしました。

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